ポータブル電源の専門チャンネル「ポタブルン」を運営している菅原拓也です。
- ポータブル電源が高くて手が出せない
- ポータブル電源を自作して安くすませたい
- バッテリーとインバーターで自作して容量をカスタマイズしたい
- 出力、500W、1500W、2000W自由にカスタマイズしたい
- リン酸鉄(lifepo4)でポータブル電源を自作したい
読者の方からこんな悩みを頂きました。
結論から言うと、バッテリーとインバーターで自作することで、既製品のポータブル電源よりも半額程度の金額で作ることができます。
また、後から容量を増量したり、インバーターを変えて出力性能を上げることもできます。
とはいえ、メリットだけではなくデメリットや注意点ももちろんありますので、本記事であらゆる角度から詳しく解説します。
- 自作に必要な金額と材料
- 作り方と注意点
- 同容量クラスのポータブル電源と比較
- メリットとデメリット
- 安く買う方法
自作ポータブル電源の総額と材料
今回は、容量1200Wh・出力1200Wの自作ポータブル電源を作った場合に必要な金額と材料を解説します。
安く済ませて、ソーラーパネルなど充電の設備投資に回すのが良いですね
必要な商品:69,397円
- Redodo 12V100Ah(1200Wh)バッテリー:44,999円
- 1200Wのインバーター:14,399円
- 充電器(アダプター):9,999円
当然ですが、バッテリーやインバーターの性能を上げると、金額は高くなります。
インバーターは、500W、1500W、2000Wなど、お好みで選んでみてください。
とはいえ、同容量クラスのポータブル電源より圧倒的にお得。
充電アダプターは、ソーラー充電のみの場合、不要となります。
|Mini版も出ています!3,000円ほど値段が上がりますが、容量同じで省スペースなのでおすすめ
あると安全:2,786円
絶縁対策をせずに自作している動画や記事を見かけますが、万が一を想定して、あった方がいいでしょう。
ホームセンターで揃えられます。
自作ポータブル電源の作り方手順
自作と言っても、バッテリーとインバーターを接続するだけなので、難しい作業は一切ありません。
- 絶縁手袋を着用する
- 赤ケーブルをバッテリーの「+極」に繋ぐ
- 赤ケーブルをインバーターの「+極」に繋ぐ
- 黒ケーブルをバッテリーの「−極」に繋ぐ
- 黒ケーブルをインバーターの「−極」に繋ぐ
【注意】バッテリーとインバーターを接続する5の工程時に、ケーブルの端子が接触してショートを起こします。感電しないように、鉄部分を触らないようしましょう。
バッテリーとインバーターを接続する最後の工程で、「バチッ」と音がなります。
絶縁手袋と絶縁ドライバーを使って安全に組み立てよう!
バッテリー残量を確認する方法
バッテリー容量は、バッテリーの電圧(充放電電圧ではないこと)により、推測ができます。
バッテリーごとの電圧が少し異なるため、下記の数値は参考までに。
容量 | 電圧 |
---|---|
100% | 13.5V |
99% | 13.4V |
90% | 13.3V |
70% | 13.2V |
40% | 13.1V |
30% | 13.0V |
20% | 12.9V |
10% | 12.8V |
1% | 10.8V |
0% | 9.5V |
電圧の計測は、インバーターの液晶パネルやテスターを使うことで、バッテリー残量を確認することができます。
バッテリーを充電する方法
充電電流は、0.2Cにするので、100Ahのバッテリーの場合、20Aの充電器を選択するといいでしょう。
今回使っているバッテリー(12V 100Ah)のリン酸鉄リチウムイオン電池の場合、14.6V専用充電器で充電することで、安全かつ容量を最大化することができます。(推奨充電電圧:14.2V〜14.6V)
ソーラー充電する場合は、ソーラーパネルとMPPTチャージコントローラーを使うことで、安全かつ効率的に充電ができます。(推奨充電電圧:14.2V〜14.6V、20A/50A)
車内にサブバッテリーを構築する場合も、チャージコントローラーが必要となります。
大容量1000Whで自作とポータブル電源の比較
では、大容量クラスのポータブル電源と自作ポータブル電源をあらゆる性能面で比較していきます。
今回比較するのは、筆者が実際に所有している2台のポータブル電源です。
自作の場合は、バッテリーとインバーターと充電器が必要となる為、3点の合計金額で比較しています。
Redodo 12V 100Ah | EcoFlow DELTA 2 | BLUETTI AC180 | |
---|---|---|---|
容量 | 1280Wh | 1024Wh | 1152Wh |
出力 | 1280W | 1500W | 1800W |
サイクル寿命 | 4000回 | 3000回 | 3000回 |
価格 | 69,397円 | 143,000円 | 148,000円 |
費用対容量 | 54円/1Wh | 140円/1Wh | 128円/1Wh |
保証期間 | 5年 | 5年 | 5年 |
Redodo 12V 100Ahは、出力性能が劣りますが、バッテリーを増やして、直列繋ぎすることで、25.6V、100Ahになる為、2560Wまで上げることができます。
その場合、2560W以上のインバーターが必要になりますが、価格は、DELTA2やAC180の価格と同じくらいになります。
バッテリーとインバーターで作る自作ポータブル電源は、既製品のポータブル電源よりも圧倒的に安く済ますことができて、自由にカスタマイズできます
自作ポータブル電源:Redodo 12V 100Ahバッテリー
Redodoについて
- 5年間の製品保証
- 30日間の交換保証
- 注文から24時間のサポート
- 注文から翌日発送
Redodoは、中国の深センに拠点を置くメーカーです。
ポータブル電源やバッテリーのメーカーのほとんどは中国の深センに拠点を置いています。
日本の埼玉と千葉に倉庫があり、注文の翌日に発送や24時間の日本語サポート(チャット)もある為、安心して購入することができます。
公式サイトからの購入では、30日間の交換保証、5年間の製品保証が付きます。
輸入業者の場合、日本で電気製品を販売する際、電気用品安全法(PSEマーク)の取得が必須となります。
Redodoは、PSEマークを取得しています。
付属品
- Redodoバッテリー
- ボルド
- 製品マニュアル
- ステッカー
特徴とスペック
項目 | 詳細 |
---|---|
スペック | 12.8V 100Ah |
電池セル | 角形LiFePO4セル リン酸鉄リチウムイオン電池 |
電池容量 | 1280Wh |
出力 | 1280W |
重量 | 11kg |
サイクル寿命 | 4000回 |
BMS機能 | 過充電、過放電、過電流、短絡保護 |
安全性やサイクル寿命に優れるリン酸鉄リチウムイオン電池が主流になっていますが、角形セルを搭載しているポータブル電源はほぼありません。
角形セルは、円筒のセルとは異なり無駄なスペースがない為、よりコンパクト。
サイクル寿命も一般的な3000回より1000回多い、4000回となります。
自作ポータブル電源のよくある質問
リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブル電源の安全性について、下記の記事で詳しく解説しています。
自作ポータブル電源のメリットとデメリット
続いて、自作ポータブル電源のメリットとデメリットを解説します。
簡単にまとめると、ポータブル電源よりも自作した方が圧倒的に安く済ませることができ、拡張カスタマイズの自由度が高い。
その代わり、最低限の知識が必要で、バッテリーやインバーターなど買い揃える必要があります。
ポータブル電源よりもコンパクトに済ませることができますが、バッテリーやインバーターが別々なので、持ち運びする場合は、固定したり箱に入れる必要がある。
メリット
- 圧倒的に安くなる
- 応用拡張ができる
- 最低限の知識がつく
デメリット
- 最低限の知識が必要
- バラで買う必要がある
- まとめないと持ち運びがしにくい
まとめ
以上で、「自作ポータブル電源の作り方や注意点」について解説してきました。
ポータブル電源が高くて手が出せない!自由に容量のカスタマイズがしたい!大容量にしてオフグリッドシステムを構築したい!という方には、自作でポータブル電源を作ることをおすすめします。